「ブルネイってどこにあるか知ってる?」と聞かれて、即座に答えることのできる日本人はかなり少ないだろう。「そんな国、聞いたことない」と答える人もいるだろう。
ブルネイは、ボルネオ島北部にあり、マレーシアに囲まれるように存在する小国で、面積は日本の三重県とほぼ同じだ。石油や天然ガスといったエネルギー資源が豊富で、裕福で平和な国だ。政治体制は立憲君主制で王様が国を統治している。首都はバンダル・スリ・ブガワン、首都ではあるがコンパクトな街で行政地区と商業地区に分かれている。行政施設や博物館、市場などがあるが、高層建築はほとんど見られない。そんな中で、立派なモスクがひときわ目立っている。少し離れた場所にガトン地区という商業エリアがあり、ホテルやレストラン、ショッピングセンターなどはこちら集まっている。
一方、国土のほとんどは熱帯雨林に覆われているため、珍しい動植物が多く、エコツアーにはもってこいの場所でもある。バンダル・スリブ・ガワンの中心部から、車で15分ほどの船着き場からリバーサファリツアーに出発することができる。また、500K㎡の大森林地帯、テンブロン国立公園では、トレッキングやキャノピーウォーク、ラフティング、ジップラインなど、様々なアクティブティーを満喫できる。
今回から、7回にわたって、ブルネイの様子をお伝えしたいと思う。
まず、1回目は、ブルネイを象徴する美しい2つのモスクをご紹介しよう。
まず1つ目は、スルタン・オマール・アリ・サイフディンモスク(以後、サイフディンモスクとします)。前国王の名前を冠した、王室のモスクである。バンダル・スリブ・ガワンの中心部に位置する。モスクの前は人工のラグーンになっており、王室の船のレプリカが浮かんでいる(冒頭の写真)。モスクにアクセスする橋の入口のところでは、水面に映るモスクの姿が見られる。
サイフディンモスクは2階建て、ミナレットの高さは50m。
正面のゲートから、モスクの入口を見たところ。幾何学模様の道が、いかにもイスラム教らしい。
サイフディンモスク内部の様子。シャンデリア、ステンドグラス、絨毯などは、世界中から取り寄せられた一級品ばかり。
夜はライトアップされるので、夜景も美しい。
続いては「ジャメ・アサール・ハサナル・ボルキア・モスク」(以後、ジャメモスクとします)をご紹介しよう。
バンダル・スリブ・ガワンから来たに2.5kmほど離れた場所にあるガトン地区の少し手前に位置し、金色のドームと4本にミナレットが印象的なモスクである。5000人を収容できるという巨大なモスクは、現国王の即位25周年を祝い建設された。
ジャメモスクには、美しい噴水がある庭園があり、モスクの美しさを一層引き立てている。
ジャメモスクにも、幾何学模様のタイルで飾られてた美しい外廊下がある。
ジャメモスクは、夜景が特に美しいことで有名である。まさに、黄金のモスクといった印象である。
ジャメモスクを夜訪れたら、噴水の水が止まっていたので、このように水鏡にミナレットが映る幻想的な光景を目にすることができた。
マレーシアにも多くのモスクがあるが、それと比べても、ブルネイのこの2つのモスクは豪華で美しい。昼・夜それぞれ違った顔を見せてくれるので、ブルネイ滞在中時間が許せば是非2度訪れていただきたい。
シリーズ「ボルネオ島の平和な小国ブルネイ」
1、美しい2つのモスク
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