ブルネイを紹介するシリーズの6回目、今回はブルネイのグルメについてご紹介しよう。と言っても、期間も短くスケジュールも細かく決まっている視察ツアーであったため、注目のお店に行ってメニューや価格を細かくチェックするような取材をすることはできなかった。ブルネイの食事に関して、どんなものがあるのか全くご存じない方も多いと思うので、視察中に食べた料理をご紹介しながら、ブルネイではどういった食事ができるのかを、できる限りお伝えしようと思う。
ブルネイの民族構成は、66%がマレー系、11%が中国系、その他ボルネオ原住民族を含む民族が23%となっている。食事も、マレー料理、中華料理が多い。裕福な国だけに高級なレストランも多い。今回は、レストランやホテルでの食事を一例としてご紹介し、最後にナイトマーケットの様子をご覧に入れながら、庶民的な食事についても見て行こうと思う。
1、レストラン「アイ・ロータス(I Lotus)」
首都バンダルスリブガワンの郊外、リンバ地区にある有名なレストラン「アイ・ロータス(I Lotus)」の料理をご紹介しよう。基本的には中華料理だが、メインは新鮮な魚介類で、さらにマレー料理の要素も取り込まれてており、こういったものをブルネイ料理と呼んでもいいのかもしれない。
麺のようなものをころもにしたエビのフライ。チリソースで食べる。
フカヒレ、シロキクラゲなどが入った中華スープ。
蒸し鶏の野菜あんかけ。サラダのような感覚で食べ得られるヘルシー料理。
魚の蒸し物。マレーシアなどでもシーフードを中心とした中華料理店でよく見る定番の一品。
蓮の葉にくるんで蒸した味の付いたおこわに、様々な具が入ったあんをかけたもの。中華ちまきの大きいもの。
エビのココナッツ風味のカレー。これは、完全にマレー料理である。
レンコンの炒め物。蓮の実も入っている。周りにあるのは、あした葉のような葉っぱの天ぷら。
もち米の上にココナッツクリームを乗せたものと、サツマイモに近い味の甘いイモのデザート。これも、どちらかというとマレーのデザートだ。
こちらは、タピオカココナッツミルクにメロンが入ったデザート。いかにも中華料理店のデザートだ。
2、ホテルのビュッフェ(ラディソンホテル・タシークブラッセリー)
続いて、前回ご紹介したラディソンホテルの中にあるレストラン「タシークブラッセリー」のランチビュッフェの料理をご紹介しよう。どこの国に行っても、外資系の世界的に展開している大型ホテルに行けば、洋食や中華をはじめ和食やイタリアンなど、ある程度食べなれたものをいただくことができる。しかし、ブルネイには、あまり外資系の大型ホテルが多くない。そんな中、ラディソンホテルの中にある「タシーク・ブラッセリー」は、旅行者にとって、少しホッとできる貴重なお店と言えるかもしれない。
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ホテルの中によくある、多国籍料理のビュッフェだが、ここの特徴はそのディスプレーが大変美しい事。そして、デザート類がとても充実している。
麺料理のコーナーもあり、あつあつが食べられる。鶏のだしが効いたあっさりスープに卵麺が入って、とてもおいしかった。米粉麺を選ぶこともできる。
私が取ってきた料理がこちら。ローカルフードもいいのだが、時にはこういった料理が食べたくなるものだ。
3、ホテルの高級なローカルフード(リズクンホテル)
今回の視察で、ブルネイの観光局主催のディナーで出された料理をご紹介しよう。こちらも前回ご紹介したリズクンホテルのバンケットルームで行われたものだ。特別な席なので、この料理を紹介されてもあまり参考にならないと思われるかもしれないが、注目すべき一品があったのでご覧いただきたい。
スパイシーで濃厚なスープに、細いそうめんのような米粉麺と卵麺の2種類の麺が入っている。サンバル(ピリ辛の発酵調味料)を少し加え、キンカンを絞るとスープの味ががらっと変わる。これは、まさしく「サラワクラクサ」である。もともと庶民的な料理だが、立派なエビも入って高級料理になっている。ブルネイは、マレーシアのサラワク州と隣接しているというか包み込まれるような形で存在しており、やはりここでもサラワクラクサが出て来るんだなあと思った。しかも、こんな高級な様子で出て来るとは、少々驚いた。ラクサはマレーシアでは、アッサムラクサ、カレーラクサ、ペナンラクサなどバリエーションがあるが、個人的にはこのサラワクラクサが一番おいしいと思う。
こちらはデザート。注目は、キャッサバのシロップ漬けとコーン。キャッサバは、タピオカの原料になるイモである。コーンがデザートの範疇に入るのもマレーシアと同じである。
ちなみに会場がこちら。こんな席でサラワクラクサを食べるとは夢にも思わなかった。
4、ナイトマーケットの屋台料理
ここまで、レストランやホテルの料理をご紹介してきたが、最後にナイトマーケットで見た屋台料理をご覧いただこうと思う。なお、このナイトマーケットに関しては、次回の記事でも取り上げるので、ここではB級グルメに絞ってお伝えする。
マレーの焼き鳥サテーは、ここでも屋台の定番だ。
こちらも同じく屋台の定番「チキンウイング」、鶏の手羽先をスパイシーなタレで焼いたもの。
おそらく、鶏のモツだと思われるが、非常に脂の多そうな肉を炭火で焼いていた。
揚げ物屋さん。それぞれ、何を揚げたものはかはわからないが、一番人気はバナナのフライとのこと。
ジャガイモをらせん状にカットして揚げたもの。これは味が想像できるので食べやすそうだ。
それぞれどんな味ななのか全くわからない冷たい飲み物。ブルネイは暑いので、見ているとみんなどんどん買っていく。
ラストはこれで締めくくろう。なんと「TAKOYAKI」だ。見ていると、作り方は全く日本のたこやきと同じだ。機材も日本から持ってきたものではなかろうか。ただ、中身は「シーフード」「ツナ」「ミックス」の3種類があるらしい。おそらく、焼いている本人も「たこ」の意味は知らないのではないだろうか。あまり繁盛しているようには見えなかった。
5、まとめ
食レポとしては、少々中身が薄くて申し訳ない。なんとか、ブルネイの食に関して雰囲気だけでも感じていただければ幸いである。ブルネイを旅行した場合の食事に関しては、あまり心配する必要はない。ご紹介したように、マレー料理と中華料理が基本で、日本人の舌に合いそうな食事がたくさんあり、しかもおいしい。高級なものから庶民的なものまで揃っている。ブルネイを訪れる機会があれば、食事もしっかり楽しんでいただければと思う。
シリーズ「ボルネオ島の平和な小国ブルネイ」
6、ブルネイグルメをご紹介します
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