マラッカ オランダ広場

マラッカは、15世紀初頭のマラッカ王国を起源とし、その後ポルトガル、オランダ、イギリスといった列強国の植民支配を受けてきました。このため、今でもヨーロッパ風の建物が多く残り、中国福建省からの移民してきた人々の文化やマレーの文化も混在し、独特の景観と文化を持つ街となりました。2008年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

見所も多く、グルメやショッピングも充実した街ですが、クアラルンプールからの日帰りツアーで訪れる人が圧倒的に多いと思います。主要な観光スポットは見られますが、日帰りでは時間が足りません。最低1泊はして、ゆっくり見て回ることをお勧めします。

そんなマラッカに行ったら、絶対に行くべきおすすめスポット20をご紹介します。まず、前篇は観光スポット・ホテル編です。

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1、オランダ広場

まず最初は、やっぱりオランダ広場だろう。マラッカと言えば、最初の写真の景色を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。18世紀のオランダ統治時代に建てられた教会を中心とする広場で、手前にある噴水は20世紀初頭のイギリス統治時代にヴィクトリア女王をたたえるために造られたものだ。教会の向かって右横に見える建物は、オランダ統治時代に市庁舎として使われた建物「スタダイス」で、今は、博物館になってる。教会やスタダイスは今では赤く塗られているが、これはイギリス統治時代に塗り替えられたもので、オランダ統治時代は白く塗られていた。

オランダ広場の夜景

オランダ広場は夜もきれいだ。この風景は、日帰りツアーでは見られない。

オランダ広場のトライショー

オランダ広場の前には、たくさんのトライショーが客待ちをしている。行先を告げて値段交渉する。行先や所要時間によって変わるが30~50リンギット(約900円~1500円)ぐらいが目安だ。

2、セントポール教会

セントポール教会 フランシスコザビエル像

オランダ広場の背後に位置するセントポールの丘の上にある「セントポール教会」は、16世紀オランダによって建てられた教会で、フランシスコザビエルの遺体が一時安置された場所である。教会の前に立つ、フランシスコザビエル像は、右手首を欠いている。フランシスコザビエルの遺体はマラッカからインドのゴアに移され埋葬されたが、右手は切断されローマに送られた。このザビエル像は1953年に造られたものだが、嵐によってなぎ倒された木が右手に当たって砕け散ったという。

セントポール教会

教会の建物は史跡として整備されている。フランシスコザビエルの遺体を安置した場所も見られる。

セントポール教会の猫

セントポールの丘には猫がたくさんいる。NHKBSの人気番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」でも紹介された。また、野鳥も多くハチドリも生息している。

3、スルタンパレス

マラッカ スルタンパレス

15世紀のマラッカ王国時代の建物を、マレー王統記という書物を参考に忠実に再現した建物。このスルタンパレス、現在はセントポールの丘の横にあるが、実際はセントポールの丘の上にあったものだ。

入場料は、大人2リンギット(約60円)子供は1リンギット。

スルタンパレスの展示

内部は人形を使って当時の様子を再現した博物館となっている。部屋ごとに様々な場面が再現されているが、スルタンを中心に大臣、軍の責任者、宗教者、他国の使節などが集まる謁見の間は、なかなか見応えがある。

スルタンパレスの内部

この建物は、1階が小さな建物を連ねたような造りになっており、2階はその上に大きなホールが乗っかったような造りになっている。上の写真は2階の長い廊下。展示物もさることながら、建物の内部を見て回るだけでも価値がある。

4、マラッカタワー

マラッカタワー

「マラッカタワー」は、マラッカの新しいシンボルとも言えるアトラクション。高い煙突のようなポールに沿って円盤状の乗り物が回転しながら地上80mまで登って行く。上の写真は、セントポールの丘から撮影したもの。

マラッカタワー 乗り場

オランダ広場から徒歩5分ほどで乗り場に到着する。チケットを買ってレーンに並ぶ。週末は長い列ができていることもある。料金は大人20リンギット(約600円)、子供は半額。

マラッカタワーからの眺め

円盤内では着席した状態で、歩き回ることはできないが、回転してくれるのマラッカの街やマラッカ海峡がすべて見渡せる。日帰りのオプショナルツアーでマラッカタワーが入っているものは、ほとんどない。これは、特におすすめのアトラクションなので、是非ゆっくりマラッカで時間を取って、乗ってみていただきたい。

5、ジョンカーストリート

ジョンがーストリート

マラッカの街は、マラッカ川を挟んで、世界遺産に指定された古い建物が残る地区と、メインストリートのジョンカーストリートを中心とした中国風のショップハウスと呼ばれる建物が集まる地区に分かれている。ジョンカーストリートに並ぶショップハウスは改装され、お土産店、骨董品店、レストラン、カフェなどになっており、この通りはいつも多くの人でにぎわっている。

ジョンカーストリートの建物

イギリス統治時代に、主に中国福建省からの移民をここに住まわせた。ジョンカーストリートに残るショップハウスは主に19世紀のもので、華やかな時代の装飾を残すものが数多くある。こういったものを探して歩くのも楽しい。ジョンカーストリートと並行しているヒーレンストリートは、お金持ちが住む高級住宅街であったところで、こちらにも古い建物がたくさん残っている。

ジョンカー・ウォーク

金・土・日曜日の夜(18:00-24:00)は、ジョンカー・ウォークと呼ばれる夜市が開かれる。食べ物、雑貨、衣類などの出店が立ち並ぶ。多くの地元民や観光客が訪れる。

6、青雲亭(チェン・フン・テン寺院)

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青雲亭

1645年に建立された、マレーシア最古の中国寺院。明の海軍提督、鄭和の実績を称えるために建てられた。中国南部の様式を踏襲した建物で、風水の思想に基づいて建物が配置されている。

青雲亭 屋根飾り

屋根や壁にある、陶器の破片で作られた繊細でカラフルな装飾が美しい。

青雲亭 トラの神様

この寺院には、有名なトラな神様が祀られている。本堂の右奥に他の神様が祀られている祭壇の下にひっそりと安置されている。あまりトラには見えないような気もするが、なんとも言えない存在感だ。中国では、トラは、悪事を食べてくれる縁起のいい動物とされており、様々なご利益があると信じられている。

7、ババニョニャヘリテージ

ババニョニャヘリテージ

ヒーレンストリートにあるプラナカンの豪邸を博物館として公開しているのが「ババニョニャヘリテージ」だ。

プラナカンとは、中国からやって来た商人と地元の女性の間にできた子供の子孫のことで、男性はババ、女性はニョニャと呼ばれ、中国とマレー、さらにはヨーロッパの文化も取りこんだ、独特の文化を発展させた。華やかで豪華絢爛、かつ繊細さを持ち合わせており、建物や衣類、装飾品などのデザインは今もなお輝きを放っている。そんなプラナカン文化の神髄を見ることができるのがババニョニャヘリテージだ。

残念ながら内部は固く撮影が禁止されており、取材の際も撮影許可を取れなかった。内部の様子は、是非その目で確かめていただきたい。

8、マラッカ川

マラッカ川

街の中心を流れるマラッカ川、時間がないとオランダ広場からジョンカーストリートに移動する時に橋を渡るだけで終わってしまう。川沿いには遊歩道が整備され、両岸にも古い建物が残っており、絶好の散歩道だ。カフェなどもある。

マラッカ川クルーズ

ときおり、マラッカ川クルーズの船が通る。マラッカ川クルーズは、所要時間40分程度で、料金は15.9リンギット(週末は21.2リンギット)。

マラッカ川の夜景

マラッカ川でおすすめなのは、橋の上から見るこの夜景。左手に見えるのは「セント・フランシス・ザビエル教会」。

9、マジェスティックホテル

マジェスティックホテル外観

マラッカを代表するホテルの一つが「マジェスティックホテル・マラッカ」だ。ロビーやレストランとして使われている手前の建物は、19世紀の大富豪の邸宅を改装したものだ。

マジェスティックホテル客室(一例)

デラックスツインルーム、広さは35㎡。高級感があり、ゆったりとくつろげる。バスルームも広く、バスタブとシャワーブースが別々に設置されているタイプ。バスルームとベッドルームは木製のスライドドアで仕切られており、開いておくとかなり部屋全体が広く感じられ開放感がある。使用時はスライドドアを閉じておけばプライバシーも保たれる。

マジェスティックホテル レストラン

館内にあるレストラン「ザ・マンション」。富豪の邸宅を改装した建物内にあり、当時の雰囲気を残している。このレストランでいただく朝食はレベルが高いと評判。

全54室というこじんまりとしたホテルで、サービスも行き届いている。館内にあるスパ「スパ・ヴィレッジ」も人気がある。マラッカ市内中心部からは徒歩15分ほどと少し離れている。

10、ホテルプリ

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ホテルプリ ロビー

ヒーレーンストリートにある、19世紀前半に建てられた邸宅を改装したホテル。当時の装飾をできる限り残して改装されており、時代を感じさせる造りとなっている。立地が良い割に価格が安くコスパの高いホテルと言える。全82室のホテルで、スタンダードルームは約19㎡とやや狭く、2人以上で宿泊の場合はスーペリア以上がおすすめ。

ホテルプリ内部

宿泊しなくても、ヒーレーンストリートの散歩中にちょっと立ち寄って、内部を見学するだけでも価値がある。

ホテルプリ中庭

中庭にカフェがあるので、冷たい飲み物でも飲んで一息つくのもいいだろう。

 

世界遺産マラッカのおすすめスポット20の前篇は、観光スポット、ホテルをご紹介しました。後編はグルメ・ショッピングスポットをご紹介します。

後編は、こちらからどうぞ。

トラベルガイド株式会社 ライター・カメラマン
阿部吾郎

 

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