マレー半島の西側、マラッカ海峡に位置するペナン島。1年を通して最高気温が30度前後と、まさに常夏の島だ。この島に観光で訪れた場合に行くべき場所は、2つのエリアに大別される。1つは、世界遺産ジョージタウンを中心とするエリア、もう一つが島の北側にあるビーチリゾートを中心としたエリアだ。ジョージタウンに関しては、既に別稿でふれたので、今回はビーチエリアのおすすめスポットをご紹介する。ジョージタウンほどの多彩さはないものの、南国らしい自然とふれあえるスポットやリゾート気分を満喫できるスポットが点在している。

1,バトゥフェリンギビーチ

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ペナン島北側のビーチエリアで、リゾートホテルが建つビーチは、「バトゥフェリンギ」「タンジュンブンガ」と2か所ある。「タンジュンブンガ」の方は、比較的静かでコンドミニアムなどが多く、それなりに魅力のある場所ではあるが、ホテルやレストランの数は圧倒的に「バトゥフェリンギ」の方が多い。「絶対行くべき」というタイトルを掲げるとなると、やはり紹介するのは「バトゥフェリンギ」周辺のスポットが中心となる。そうなると、一番最初に紹介するのはバトゥフェリンギビーチだ。

主なリゾートホテルは、このビーチ沿いに並んでいる。パラセーリングやバナナボートなどの水上アトラクションを楽しめる。水の透明度はあまり高くなく、シュノーケリングやダイビングにはあまり向かない。きれいな砂浜が延々と広がっており、のんびりとした海水浴場といった雰囲気だ。安全に海水浴ができるよう、ボートが立ち入らないようにブイで囲われているエリアもあり家族連れも安心して楽しめる。

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サンセットの風景も美しい。夕食前にカメラを持ってビーチに出てみるのも悪くない。

2,フェリンギガーデン

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バトゥフェリンギ通り沿いにある、地元の人々にも観光客にも人気のあるペナン島随一のお洒落なレストラン。いたるところに植物が配置され、まさに邸宅のガーデンで食事をしているような雰囲気。日が落ちる頃、各テーブルにオイルランプが置かれ、ロマンチックな雰囲気だ。本格的なコース料理から、スパゲッティー、ピザなどの軽食、ペナン島のローカルフードなど料理の種類は豊富。

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バーカウンターもあり、アルコール類のラインナップも充実している。

営業時間は、16時から深夜0時まで。ちょっと食事をして軽く飲むぐらいなら100リンギット(約3000円)ぐらいが目安。

3,ゴールデンサンズとラササヤン

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バトゥーフェリンギを代表する、ビーチリゾートホテルをご紹介しよう。ゴールデンサンズリゾートとラササヤンリゾートは、いずれもシャングリラホテル系のリゾートホテルで、敷地も隣り合っており、互いに行き来ができる。上の写真は、ゴールデンサンズリゾートだ。緑あふれる敷地内にはプールやウォータースライダー、アスレチックがいくつもある。屋内に子供用のレジャー設備があり、まさに家族向けのリゾートホテルだ。

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ラササヤンリゾートは、ペナン島を代表する高級リゾートホテルだ。ラササヤンとは、「愛する気持ち」を意味し、その名の通りサービスに定評がある。ラサウイングとガーデンウイングに分かれている。ラサウイングの方が上位のカテゴリーでロビーラウンジを利用することができる。

この2つのリゾートは、目の前がバトゥーフェリンギビーチで、いつでもビーチに出られる。また、周囲にはレストランやショップが多くあり、食事や買い物にも困らない最高の立地だ。

4,ロングビーチカフェ

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ロングビーチカフェは、バトゥフェリンギ地区にある屋台村。安く食事を済ませたいならここが定番だ。インド料理、サテー、バクテー、ピザ・パスタ、鉄板焼き、ケバブなど様々な屋台が揃っている。ジョージタウンの屋台よりは若干値段が高い感じもするが、それでも15リンギット(約450円)もあれば、十分食事ができる。

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ペナンの屋台といえば、定番のチキンウイング。鶏の手羽先のローストだ。チリソースとの相性が抜群。

5,トロピカルスパイスガーデン

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トロピカルスパイスガーデンは、バトゥーフェリンギから、テロバハンの方に車で10分ほど行った場所にある。8エーカー(東京ドームより一回り小さい程度)の敷地内に500種類を超える熱帯の植物やスパイスの木が生い茂るテーマパーク。日本語の音声ガイドを借りることができる。1日3回のガイドツアーもある(こちらは英語)。園内は広く、高低差もあるので少々体力が必要だが、スパイスやペナンの自然環境について学ぶことができる。

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ギフトショップでは、様々なスパイスや植物由来のアロマオイルが売られている。料理好きの方は、いろいろとスパイスを揃てみるのも楽しいだろう。

このギフトショップの先に「ツリーモンキー」というカフェがある。高台に位置し、テラス席から海峡を眺めながら一休みできる。

トロピカルスパイスガーデンの営業時間は9時~18時、入場料は大人26リンギット・子供15リンギット。

6,トロピカルフルーツファーム

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トロピカルフルーツファームは、ペナン島の北西部テロバハンからさらに南に少し下ったあたりに位置する。バトゥフェリンギから車で20分程度かかる。25エーカー(東京ドームの約2.5倍)の農場内に250種類以上の熱帯や亜熱帯の果物が栽培されている。マレーシアの市場などでは、ドラゴンフルーツ、ドリアン、パパイヤ、マンゴー、ランブータンなど、様々な南国のフルーツを目にするが、ここではそれらが実際になっているところを観察できる。到着すると、係員の人が付き添って説明してくれる(英語)。

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果物を実際に試食できるコーナーもある。スーパーなどで見かけたフルーツを実際に食べてみたくても、まるまる1個は食べられないし、どうやって食べるかもわからないことが多いが、ここではたくさんの種類の果物を思う存分食べることができる。フルーツジュースを飲めるコーナーもあり、これらはすべて入場料に含まれている。

営業時間は9:00~17:00、入場料は大人35リンギット、子供28リンギット。

7,「ゴールデンタイ」と「ザ・シップ」

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「ゴールデンタイ」と「ザ・シップ」この2つの隣り合うレストランは、バトゥフェリンギの中心部にある。そして、とにかく目立つ。車での移動中などに見かけると、思わず「何だあれは?」と言いたくなる。いずれも、ペナン島では有名な店だ。「ゴールデンタイ(上の写真)」は、シーフードレストランで、店内にはたくさんの水槽が並んでおり、食材を選んで調理してもらうスタイルだ。価格は時価なので、店員さんに値段を確認しながら注文しよう。毎晩20時からマレーシアの民族舞踊ショーが開催され、観賞しながら食事をすることができる。11:00~24:00まで営業している。

船が丘に打ち上げられたのかと勘違いしそうな下の写真が「ザ・シップ」だ。外観だけでなく、内部も船室そっくりの造りになっている。ステーキやロブスターといったグリル料理が中心。また、常時8か国のワインリストも用意されている。マレーシア国内に数店舗支店があり、ジョージタウンやクアラルンプールにもお店がある。しかし、これほどインパクトのある外観をしている店はここだけだ。12:00~25:00まで営業している。

8,水上モスク

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2004年の津波被害で、古いモスクが流された後に、ペナン島北部のタンジュンブンガ湾に再建されたモスク。海上に打ち込まれた杭の上に建てられており、水に浮いているように見えることから、フローティングモスク、水上モスク、と呼ばれている。

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内部には、1500人の信者を収容できる巨大なホールがある。礼拝が行われる時間帯以外は内部見学も可能。女性は、肌の露出が多い服装はNG。

9,ローンパインホテル

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もうひとつ、おすすめのリゾートホテルを挙げておこう。ローンパインホテルは、先ほどご紹介したゴールデンサンズリゾートの隣にある。ジョージタウンにある、ペナン島を代表するホテル「イースタン&オリエンタルホテル」と同じ系列のホテルだけあって、バトゥフェリンギ地区にある他のリゾートホテルとはちょっと違った雰囲気だ。ゴールデンサンズをはじめ、にぎやかなホテルが多い中、ここはとても静かで落ち着いた大人の雰囲気だ。プールを見てもわかる通り、洗練されたデザインの居心地の良い空間が広がっている。

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客室の雰囲気、デザインもすばらしい。

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窓の向こうに、正面だけが開いて上下左右には壁があるしゃれたベランダがある。正面にはブラインドの付いた扉も設置されており、外からの目線を気にせずベランダで過ごすことができる。このベランダにバスタブが設置されている客室もある。

10,ストレーツキー

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ストレーツキーは、ペナン島北東部のタンジュントコンにある大型のショッピングモールだ。大きなスーパーマーケットも入っている。マレーシア名産の錫の工芸品を販売する有名店「ロイヤルセランゴール」のビジターセンターがあり、ハードノッキングと呼ばれる、錫の円盤状の板から小皿を作成する体験をすることができる。この他、レストランもたくさん入っており、グルメスポットとしても注目だ。

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建物の前はヨットハーバーになっている。遊歩道が設置されているので、ヨットハーバーの周辺をのんびり散歩することもできる。

10:30~25:00まで営業、内部にある各店舗の営業時間はそれぞれ異なる。

番外編  ローズ・テーラー&ブティック

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最後にひとつだけ番外編をご紹介しよう。上の写真は「エデンパレード」というバトゥフェリンギのゴールデンサンズリゾートの近くにあるショッピングモールだ。ちょっ古びた感じでいかにもローカルな雰囲気のモールだが、この中に面白い店がある。

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「ローズ・テーラー&ブティック」という洋服の仕立て屋さんだ。ペナンに来てどうして服の仕立て屋さん?と思うかもしれないが、英国製の高級カシミアを使用したスーツや、ワンピース、シャツなどを日本よりもかなり安く仕立ててもらうことができる。しかも、この店のご主人の奥様は日本人なので、日本語で注文することが可能だ。1~3日程度で出来上がるので、ペナン島に数日滞在するのであれば、旅行中に完成品を受け取れるし、日本に送ってもらうこともできる。ペナン島の思い出に、一着仕立ててもらうのも面白いだろう。

営業時間は、12:00~23:00(日曜のみ15:00~)、年中無休。

まとめ

ペナン島のビーチエリアでの過ごし方は、バトゥフェリンギのリゾートホテルに宿泊し、朝はホテルでゆっくり朝食、その後はタクシーや路線バスで周辺の観光地に出かけ、夜は近くのレストランや屋台街で食事やお酒を楽しむ、月並みだがこんな過ごし方がベストだろう。もちろん、高級リゾートホテルで、どこにも行かず1日のんびりしているものいいだろう。そんなリゾートライフを送るために、本稿が少しでも参考になれば幸いである。

トラベルガイド株式会社代表・カメラマン・ライター

阿部吾郎

 

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