大航海時代、海上交通の要衝として栄えたペナン島。18世紀から19世紀ごろの街並みが今も残るジョージタウンは世界遺産に指定されている。そのジョージタウンの中でも、最も由緒あるホテルが「イースタン&オリエンタルホテル(E&Oホテル)」である。サーキーズ兄弟が1884年に開業したイースタンホテルと、彼らが1886年に買収したオリエンタルホテルを併合しイースタン&オリエンタルホテルとなった。このホテル事業で成功したサーキーズ兄弟が、1887年シンガポールに建設したのがラッフルズホテルである。イースタン&オリエンタルホテルは、ラッフルズホテルと並ぶ伝統あるホテルなのだ。
創業当初の姿を今に伝えるコロニアル調の外観を眺めるだけでも十分に価値はありそうだが、是非その内部を見学していただきたい。
入口を入ると、すぐにロビーだ。白亜のドーム天井に明り取りの窓、大理石が敷き詰められた床、なんとも贅沢な空間だ。
そのロビーから延びる廊下、大時代の優雅さを感じさせる。
ヘリテージウイングのプール。イースタン&オリエンタルホテル(E&Oホテル)が紹介される際、この風景が使われることも多い。このプールは宿泊者しか利用できない。
さて、わざわざ「ヘリテージウイング」のプールとご紹介したのは、2013年に新館の「ヴィクトリーアネックス」がオープンしたためだ。
誰でも自由に出入りできるロビーや廊下などを見学したり、レストランで食事をするだけでも十分に楽しめるのだが、できれば宿泊していただきたい。というのも、マレーシアの物価の安さもあり、このレベルのホテルにしてはリーズナブルな価格で宿泊でき、日本人スタッフもおりサービスも充実、立地も良くジョージタウン観光には最適の場所にあるからだ。ヘリテージホテルにありがちな、雰囲気はいいが設備が古くて使いにくいといったとも、このホテルにはあてはまらない。もちろん、決して安い宿泊料ではないが、総合的に考えるとコスパの高いホテルとも言えるのである。
宿泊するとなると、「ヘリテージウイング」「ヴィクトリーアネックス」どちらが良いか迷うところだが、これは好みの問題でどちらに泊まっても十分に満喫できるだろう。ここまで、ヘリテージウイングの外観、ロビー、プールをご紹介してきたので、引き続き、ヘリテージウイングの客室の様子をご紹介しよう。
ヘリテージウイングの「デラックススイートルーム」、全99室のうち64室がこのタイプの客室となっている。広さは58㎡あり、かなりゆったりしている。
リビングスペースが贅沢だ。ここに座って、窓の外を眺めながら、ゆったりと過ごしてみたいところだ。
その窓からの風景がこちら。マラッカ海峡が見渡せる。
(*窓から見える風景は当然客室によって異なる。この写真は309号室から撮影したものだ。)
バスルームは、バスタブとシャワーブースが別々になっている。洗面台は、この写真の手前にもう一つあり、二人が同時に使用できるようになっている。
こちらは「ジョージタウンスイートルーム」、79㎡とさらに広い部屋だ。ただし、シティービューで海は見えない。ホテルの部屋というより、邸宅の一室といった雰囲気だ。
≪イースタン&オリエンタル「ヘリテージウイング」に宿泊するツアーはこちら≫
さて、ここからは「ヴィクトリーアネックス」をご紹介しよう。
2013年、ヘリテージウイングの隣にオープンした「ヴィクトリーアネックス」、ヘリテージウイングとは対照的な外観だ。
エントランスもロビーも、ヘリテージウイングとは別に設けられている。ただし、内部では双方自由に行き来できるようになっている。ヴィクトリーアネックスのロビーは、ヘリテージウイングほど広くはないものの、イースタン&オリエンタルらしい、クラシックで優雅な雰囲気だ。
ヴィクトリーアネックスのインフィニティープール。
ヴィクトリーアネックスの客室は、122部屋中117部屋がこの「スタジオスイート」というタイプだ。ヘリテージウイングの客室のような時代を感じさせる趣はないものの、重厚感のある豪華で落ち着いた雰囲気のデザインとなっている。広さは55㎡とヘリテージウイングのデラックススイートとほぼ同じだ。
スタジオスイートには、ベランダがある。ヘリテージウイングの客室にはベランダがないので、客室を選ぶうえでポイントになるかもしれない。なお、ヴィクトリーアネックスは、すべての部屋から海が見える。
バスルームは、こちらもバスタブとシャワーブースが別々になっているタイプ。バスソルトなどアメニティーも充実している。
洗面台も、ヘリテージウイングと同じく左右2か所に設置されている。
全部で5部屋しかない「コーナースイート」。123㎡という桁違いの広さに加え、部屋の2面に大きな窓があり開放感抜群だ。
ベランダもこの広さ!
バスルームにも窓がある。
ヴィクトリーアネックスに宿泊すると特典がある。それは、ヴィクトリーアネックス専用ラウンジ「ザ・ドローイングルーム(The Drawing Room)」を利用できることだ。5時-19時まで営業しており、朝食、カクテル、コーヒー・紅茶などが無料で楽しめる。なお、朝食はサーキーズレストランを利用することもできる。
≪イースタン&オリエンタルホテル「ヴィクトリーアネックス」に宿泊するツアーはこちら≫
ペナン随一の老舗ホテル「イースタン&オリエンタルホテル(E&Oホテル)」に関て、ヘリテージウイングとヴィクトリーアネックスを対比させながら紹介してきたが、いかがだっただろうか?このホテルに宿泊する際の客室選びの参考にしていただければと思う。冒頭で紹介した通り、総合的に考えるとリーズナブルなホテルなので、ペナンを訪れる機会があればぜひイースタン&オリエンタルに宿泊していただきたい。きっと、ペナン島ジョージタウンの素晴らしい休日を満喫できることだろう。